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『ハイジャオ・チーハオ(海角七号)を観ましたか?』という言葉が社会現象になるほどの大ブームを巻き起こした台湾映画史上最大のヒット作『海角七号』がついに日本公開。巨匠エドワード・ヤンの運転手からキャリアを積み上げたという魏徳聖監督と、台湾ポップス界の人気歌手であるファン・イーチェン、台湾を拠点に活動する日本人女優の田中千絵がタッグを組む本作の魅力を来日したファン・イーチェンが語った。
——60年前、日本統治時代の男性教師(日本人)と台湾人女性の教え子の恋愛模様と、現代の台湾人男性と日本人女性の恋が同時並行的に展開する本作ですが、魏監督は以下のように語っています。
『映画の主人公(日本人教師)は60年も気持ちを抑えて手紙を出さなかった。そこが感動的なんです。台湾人だったら書いては出す、書いては出すって感じで、まずありえない。日本の人というのは、きっと色々なことを考えて気持ちを抑えるのでしょう。この手紙を出したら彼女の将来の結婚や生活に迷惑がかかるんじゃないか、この手紙によって僕のやましさを恥じる気持ちが充分に伝わるだろうか、とか。映画の中の日本人もいろんなことを考えすぎて投函できないまま死んでしまい、結局その娘が手紙を出すことになるわけです。これは日本人だったからこそ信じられる話。台湾人だったら、そんなに気持ちを抑えられません(笑)』(劇場用パンフレットより)。
これは、台湾人の間で一般理解として存在している日本人のイメージだと思うのですが、例えば作中の友子(田中千絵)の佇まいは、日本人からすると非常に台湾人的気質を持っている女性という印象なのですが。
ファン なるほど。日本人の観客の場合は友子の怒りっぽいところをもって、そのように感じるのかもしれませんが、実は台湾人の観客の場合には、感情表現や所作以前の話として、彼女が日本人であると強烈に意識させられるポイントがあります。
——何でしょう?
ファン 彼女が口を開く時、つまり彼女が中国語を話した瞬間です。
——日本人が話す中国語の訛り方をしているということですか?
ファン それは、彼女の中国語が下手だということではなく、人種の違いをどのポイントで理解するかという話についての一つの答えではあるのですが。個人的には、僕は日本人女性には違うイメージを持っていますね。
——ぜひ、聞かせてください。
ファン 日本の女性の特徴は『優しくて、しなやか。それにサービス精神が旺盛』という感じでしょうか。
——もちろん、実体験ですよね(笑)
ファン いやいや(笑)。残念ながらお付き合いしたことはありません。
——台湾人の女性に対しては?
ファン 賢くて個性的なんだけれども、男性にはなかなかコントロール出来ない(笑)。
——ちなみに、ファンさんのお母さんはどちらに似ていますか。
ファン どちらかといえば、日本の女性かもしれません。
——いま伺ったような日本人に対する台湾人のイメージというお話にも関連することなのですが、『海角七号』には“台湾人”という名で語られる様々な属性を持った人物が登場します。客家人のマラサンや魯凱(ルカイ)族だという設定の警察官のローマー、役の上では違いますが、ファンさんご自身も阿美(アミ)族の血をひいてらっしゃるそうですね。作中で描かれるかれらの気質というのは、やはり台湾社会の通俗的なイメージを強調したもの、ということになりますか?
ファン そうですね。一般的な印象をデフォルメしているという側面はあると思います。例えば、客家人の方に対しては「勤勉でコツコツと仕事を頑張る人たち」という印象が持たれていますので、まさに作中のマラサンですね。バンドのオリジナルTシャツを作ってメンバーに配ると、それがマラサンの販売するお酒の宣伝だったりするところなどは、客家人のイメージをコメディ風に強調して、笑わせてくれます。他にも、町議会議長の家で、お酒を飲む時にローマーが酔っ払う場面なども。
——それはルカイ族の人はお酒が好きだというイメージが一般的だという意味でしょうか。
ファン ルカイ族に限らず、原住民の血をひく人々はお酒が好きだというイメージはありますね。もちろん実際には個々人の違いがあるわけですが。







