~国内外の映画祭レポートなど~

『KARAOKE』と『EARTH』:カンヌ映画祭からシンガポール経由でヴェネチア国際映画祭へ(後編)

サウンドデザイナー森永泰弘。カンヌ、シンガポール、そしてヴェネチアへと到る旅の記録。

文|森永泰弘

2009-09-18 UP

いざライブ当日

R00120727時に起床、時差ボケであまりすっきりしないまま、朝食を取り、しばし散歩。昼までは機材のチェック。
リハーサルをしに行くので担当者と会場へ行くと、本当に離れ小島の上(メイン会場のあるリド島から船で10分ぐらい)、オーディトリウム的な場所(映画館とはいえない場所)だったことには驚きました。しかし、贅沢はいってられない。小心者の僕はとりあえず、機材をセッティングしながら変圧器がとばないことをずっと祈っていました。ギターのステファノ君はギター + エフェクターというシンプルな機材だったのに対して、僕は10kgある機材にコンピューター2台、ミキサーという重装備だったのです。案の定、2つ持ってきていた変圧器の一つはリハーサル中にとんでしまいました。これには相当ショックで死にそうでした。あげくの果てには映画祭側に再三注文しておいたケーブルの数が全然足らず、——技術スタッフは会場のそこかしこのケーブルを引っこ抜いて集めていましたが——不安だけが蓄積されていき、結局、次の上映がはじまるということで、音が出せないままリハーサル終了という始末。

R0012081ステファノ君は不安そうに僕を見つめ、監督のホー君は僕のデジカメで遊んでいる。不安だけが積もりに積もってトイレに行くが、何も流れない。こういうハプニングは慣れっこですが、今回ばかりはイライラしました。

そんな中映画祭スタッフから、『EARTH』上映前の40分前から音出しでリハーサルできることを聞き入れホッとしてやっと遅めの夕食。そもそも、今回のイベントはヴェネチア国際映画祭Corto Cortissimo(短編部門)公式上映であり、かつOFF CIRCUITというヴェネチア短編国際映画祭のクロージングイベントも兼ねた特別イベントとして企画された話でした。
会場の外では既にクラブイベントが催されており、土曜の夜ということもあって多くの人で賑わっていました。最終日なので上映の方のお客さんの入りは思っていた以上に多く、やる気もわいてきたところで、本番前のリハーサルへと移りました。

>本番!

R0012074問題なく音量も映像との同期も入念にチェックできましたが(音響システムが特殊であったため理想としていた音量は出せませんでしたが)、監督も頭を縦に振りながらGOサイン。開場すると満員御礼で400人近くいたのではないでしょうか。一旦映画がはじまると、もう頭の中は真っ白で、無数にある音響ファイルをリアルタイムでミックスしていく無謀な作業だったので、45分後の映画が終わる頃には、汗びっしょりになっていました。いざ終われば、もう精魂尽き果ててしまい、プログラマーと監督と一緒にホテルへの帰路、アイスクリームを食べ、部屋に到着したら2秒で爆睡。


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